独立前の会社で広告担当をしていた美容系サロンの話です。
そのサロンは私が担当になった時点で、初回体験のキャンセル率が3割ありました。
とはいえ広告の採算は取れていたので、そこまで問題視されることがありませんでした。
しかしある月、キャンセル率が4割近くまで高騰し、しかもほとんどがドタキャン・無断キャンセル。
そこで広告費を安くするだけではなくキャンセル率を下げる必要に迫られました。
様々な改善をした結果、キャンセル率が2割まで減らすことができました。
今日はその際に私が行ったキャンセル率を下げる施策をお話しします。
そもそもなぜキャンセル率を下げるべき?
そもそもそのサロンがキャンセル率が3割もあるのは理由があって、Web広告で「初回体験無料!」と広告を打っていたからでした。
ある予約サイトの統計では、無料だと3割程度のキャンセルが生じるというデータもあるので平均的なキャンセル率でしょう。
なぜキャンセル率を下げるべきかというと、単純に集客コストが無駄にかかるからです。
キャンセル率が3割あると、90件予約があっても60人程度しか来店しません。
30人分の広告費や集客コストをドブに捨てているわけです。
当時のそのサロンの平均的な広告費で考えると15万円をドブに捨ててる計算になります。
このキャンセル率が4割まで上がったため、利益を逼迫しだしました。
というわけで、キャンセル率が下がれば来店客数は増え、かつ広告費やその他集客コストは下げることができます。
キャンセル率を下げるための考え方
そもそもなぜお客さんがキャンセルするかというと
- 体調不良や家庭の事情、仕事の都合
- 予約をしたことを忘れている
- キャンセルに抵抗感がない
- モチベーションが下がる
のだいたい4つのパターンに分かれます。
1の体調不良などの場合は止むを得ない事情なので、サロン側できることは限られてきます。
しかし2~4に関しては、サロン側の明らかな努力不足です。
この3つのキャンセル要因に対処していくのが以下の方法です。
キャンセル率を下げる5つの施策
キャンセル率を下げるためには申し込み前と申し込み後でやることが違います。
申し込み前にやること
申し込み前の施策は、体調不良などの止むを得ない事情に対しての施策です。
出来るだけ引き起こさないようにお客さんに努力してもらい、どうしてもダメな場合はご連絡をいただけるようにするためのものです。
1.事前決済(前払い)にする
心理的にキャンセルしにくくなるのが事前決済です。
そもそも支払いをしていれば、「お金払っちゃったんだから行かなきゃ!」という心理が働きます。
私も事前決裁をした2万円のセミナー当日に子供が熱を出してしまったのですが、祖父母にお願いして参加したことがあります。
なので、事前決済にすると都合をつけてもらいやすいです。
ちなみに、前述のサロンは予約フォームの関係上事前決裁を導入できなかったのですが、無料から3000円にしたところキャンセル率は下がりました。
他の同業サロンで事前決済のキャンセル率を見ると10%以下なので、事前決済はキャンセル率を大幅に引き下げるために最も効果が高いです。
2.キャンセルポリシーを明記する
キャンセルポリシーを書いていないサロンは多いですが、わかりやすいところに書くだけでキャンセル率は下がります。
前述のサロンは
無断キャンセルの場合、キャンセル料として3000円いただいております。また今後弊社のサービスに予約ができなくなる 可能性がありますので必ずご連絡ください。
と予約フォームの上部に明記していました。
そうするとキャンセルすることに抵抗があります。
その上で予約をしてきてもらえるので、キャンセル率は下がります。
一方でやむを得ない事情でキャンセ ルするお客さんにまでキャンセル料を取ることに抵抗感があるかもしれません。
その場合はキャンセルのご連絡をいただいた時点で日程変更を提案し 「キャンセルではなく”日程変更”なので キャンセル料はかかりません」 などと伝えれば、お客さんからの満足度も 高まります。(4で詳しくお話しします)
申し込み後にやること
申し込み後の施策では、予約したことを忘れていたり、気軽にキャンセルをしたりモチベーションが下がらないような工夫をしていきます。
申し込みボタンを押した瞬間から、お客さんの熱量は下がっていきますから、モチベーションを下げない工夫をしていきましょう。
3.サンキューページ・メール
フォームから予約したのちに表示されるメッセージのことを「サンキューページ」、予約確認の自動返信メールのことを「サンキューメール」と言います。
サンキューページは100%読んでもらうことができますし、サンキューメールも他のメール配信に比べかなり高確率で読んでもらえます。
申込み後にお客さんのモチベーションが下 がってキャンセルされるということは、モチベーションを維持すればキャンセル率は 下がります。
ほとんど必ず見てもらえるサンキューページやサンキューメールで、期待感を高めるような内容を表示させる必要があります。
前述のサロンでは、来店後にどんな素敵な未来が待っているのかをサンキューメールに書いていました。
サンキューメールで期待感を高めるために、手っ取り早いのはコンテンツ(短い動画や記事など)です。
例えば、10分くらいのセルフケアを動画などを送るのも良いでしょう。
4.キャンセルをWeb完結にしない
キャンセルの時に人間を介在させると、モチベーションの低下が起きても心理的にキャンセルしにくくなります。
・キャンセルの場合はメールにてご連絡ください
・キャンセルの場合はお電話ください
などの一文を入れることで、キャンセルそのものが面倒になりますから、キャンセルを減らすことができます。
また、この方法だと一度電話かメールでやりとりするので、単なるキャンセルではなく日程変更を提案することもできます。
単なるキャンセルだとそのまま二度と来ないこともあり得ますが、日程変更を提案すれば、別の日に都合をつけてもうことができます。
5.リマインドメールを送信する
当たり前のことですが、リマインドのメールは必ず送りましょう。
お客さんが予約したことを忘れていても、ここで連絡をもらうことができます。
少なくとも前日には一度メールをした方が良いですが、キャンセルポリシーに記載したキャンセル料をとるタイミングで一度メールをするべきでしょう。
例えば、「キャンセルは3日前までにご連絡いただきますようご協力お願いします」と書いていた場合は、3日前に一度メールを送り、さらに前日にリマインドメールを送りましょう。
まとめ
キャンセル率が下がれば、無駄な集客コストもかからず、利益が生まれます。
何より嫌なドタキャンなどを避けるためにも、上記の一つでも取り入れてみてください。