『ブランディング』という言葉、あなたは正しく意味を説明できますか?
この言葉、マーケティング用語の中ではかなりよく知られている単語だと思いますが、
「シャネルとかのブランドのこと」
「ロゴマークを覚えてもらうこと」
「すごそうだと思ってもらうこと」
のようなざっくりとした理解をしている人は少なくありません。
今回は『ブランディング』の正しい意味をお伝えします。
これを知っておけば「イタい」ブランディングをせずにすみます。
セルフブランディングのために自撮りをアップロードするのは正しいのか?
最近、私が強く関心のある言葉が『セルフブランディング』です。
Self(自己)+Branding(ブランド化)
という言葉で近年よく聞きます。
個人的な印象ですが、
「SNSでセルフブランディングする」
のように個人起業家たちの間で主に使われているように感じます。
この『セルフブランディング』とはWikipediaによると
企業や組織に所属しない「個人」が、自らをメディア化し、自らの力でプロモーションすること。
という定義だそうです。
SNSが流行り始めてから広く使われるようになった言葉です。
さて、この検索をする時に面白かったのがセルフブランディングのサジェストワードで「痛い」が出てきたことです。
ちょっとわかる。
『セルフブランディング』というこの言葉を使っている人のSNSを見ていると
“SNSで自分の魅力やスゴさを知ってもらう”
“すごい人だと思ってもらうための背伸び”
のようなズレた認識で行われていることが多いです。
『ブランディング』の理解が浅いため一部の人から「痛い」と感じられてしまっている状況です。
今回は『痛くないブランディング』をするために必要な知識とノウハウをお伝えします。
そもそもブランディングとは?
ブランディングとは簡単に言うと「共通のイメージを抱かせる手法」です。
ところで、コーラ飲みたくありませんか?
・・・
・・
・
いまあなたはどちらを思い浮かべましたか?
私はこの質問をされとき、赤い方を思い浮かべました。
多くの方はそうではないでしょうか。
そうだとすれば、コカ・コーラのブランディングが極めて優秀だということです。
では、ペプシコーラがブランディングできていないかといえばそうではありません。
上の簡素化した図でも色や形から「これはペプシコーラだ」と認識ができたと思います。
「コーラ」というワードと青と赤と白の組み合わせでペプシコーラを連想します。
このように「消費者にイメージを抱かせる」ことがブランディングです。
ブランドイメージに関わるものとして屋号やロゴ、キャッチコピー、色、キャラクター、パッケージなどがあります。
ブランディングに必要な「キーワード」という考え方
ブランディングはSEOに似ているなと思います。
SEOとはサーチエンジンのランキングを奪い合う行為ですが、ブランディングは同じようにお客の脳内シェアを奪い合う行為です。
例えば「コーラ」というキーワードでコカ・コーラのあの赤い缶を思い浮かべた人が多いということはコカ・コーラはペプシコーラに比べてよりメジャーである、つまり市場シェアが大きいということです。
私たちのような小さいビジネスの場合コカ・コーラのように単一ワードで連想されるようになるのは当然難しいでしょう。
私たちは
「エステサロン」というキーワードでたかの由梨やTBCには勝てません。
「料理教室」というキーワードでABCクッキングスタジオには勝てません。
「コンサルタント」というキーワードで船井総研には勝てません。
私たちの場合、もっとニッチで勝負をする必要があります。
一番簡単な考え方は
『なんといって口コミされたいか』
ですね。
例えばアップルを知らない人に私がアップル製品を進める場合
「クリエイティブなコンピューター」
と紹介するでしょう。
また、逆に言えばこのキーワードなら多くの人はアップル社が思い浮かぶと思います。
このようにどんなキーワードで思い浮かべてもらいたいか。
それ決めることこそがブランディングの第一歩です。
表札を作ることは家づくりか?
ここまで読んだあなたなら、ブランディングが
「ロゴマークを覚えてもらうこと」
「すごそうだと思ってもらうこと」
というものではないと理解できたと思います。
これについて最近わかりやすいツイートを見たので紹介しますね。
デザイン会社がロゴや名刺や会社案内や動画やメッセージを作ることを「ブランディング」というのに少し違和感があるんですよね。それは確かにブランディングの一部だけどすべてではないというか。家の表札を作ってる人が「私たちのやってることは家づくりです」と言ってしまうのに似てるというか。
— sogitani / baigie inc. (@sogitani_baigie) 2019年4月20日
ブランディングとはロゴや情報発信(表札)だけを取り繕うことではありません。
ビジネス全体で一貫したメッセージを発信することこそがブランディングです。