私は常日頃
「お客さんをファンにしましょう!」
と言っています。
なぜファンを作る必要があるのでしょうか?
「ファンにすれば通ってくれるから」
「ファンが多いとブランディングになるから」
みたいな理解をしている方も多いのですが、それだけではありません。
今回は『広告費』という視点から、数字を出しながらファンを作るメリットをお話しします。
広告費とはなにか
新規のお客さんを獲得するのに全くの無料ということはあまりないと思います。
ホットペッパーなどの集客サイトをお金を払って利用したり、チラシを作って配ったり、ホームページを制作会社にお願いして作ったり、、、と色々お金がかかるわけです。
今回はこのお金がかかる部分を全て広告費とします。
広告では必ず「顧客獲得単価」を出そう!
広告費を出す際に必ず考えてほしいのが、顧客獲得単価です。
顧客獲得単価とは、新規1名を獲得するためにいくらかかるかということ。
例えば、誰もが利用したことがあり想像しやすい美容室で考えてみましょう。
ある美容室がチラシを1000枚印刷して配ったとします。
チラシの一般的な反応率は0.1%〜0.3%程度ですので、多く見積もって3人きたとしましょう。
チラシ集客としては結構成功しています。
その美容室の客単価が1万円だとすれば3万円の売上です。
このときチラシのコストが
デザインはクライドソーシングで安く済ませて2万円。
印刷は安いネットプリントを使って5000円。
配布はポスティング業者を使って1枚5円で5000円。
トータルコストで3万円かかったとしましょう。
広告費30,000円÷集客数3人=顧客獲得単価10,000円
そして客単価は10,000円。
チラシ集客は成功しているはずなのに、広告費と売上がトントンです。
美容業界の驚くべき顧客獲得単価
この結果を見てあなたは
「顧客獲得単価の1万円って、本当に成功しているの?」
と思うかもしれません。
しかし広告の業界では、美容業界の顧客獲得単価は1万円なら安い方などとも言われます。
数年前に私が美容系のプロモーションで、有名なネット広告の会社に運用代行をお願いした時に
「顧客獲得単価の目標が1万円は無理です…」
「せめて1万5千円にできませんか?」
と言われました。
重要なのは「顧客生涯価値」
そう言われても先ほどの計算を見て
「ひとり1万円かけて、ひとり1万円の売上だったら利益はない!赤字じゃないか!」
と思うのは当然でしょう。
でも、広告費はそこだけ見ていてはいけないんです。
大事なのはリピートしてもらい、お店に定着してもらうこと。
もしその人がその美容室に通うようになり、2ヶ月に1度来てくれるようになったらどうでしょうか。
リピート来店は、広告費がかかりません。
その人が2ヶ月に1度来店してくれ、3年通ってくれたとすれば…
客単価1万円×年6回×3年間=18万円の売上になります。
これを顧客生涯価値といいます。
リピートを増やして顧客生涯価値を高めれば、顧客1人にかける広告費の割合が減り、その分利益が増えるということです。
1回きりの来店では1万円の売上に対して1万円。
広告費の割合が100%なので、当然赤字です。
しかし3年通ってくれれば18万円の売上に対して1万円。
広告費の割合はなんと5.5%です。
(広告費率は10~20%程度に収められるとベストです)
顧客生涯価値を高めるにはファン化は必須
こういった広告費という観点で集客を考えると、改めてファンの重要性がわかると思います。
そして、新規のお客さんを獲得する難しさを考えれば、、、
顧客獲得単価を安く済ませようとするよりも、顧客生涯価値を高める方が明らかに簡単なことは想像できるでしょう。
顧客生涯価値の高いビジネスは、お客さんがそのブランドに愛着を持っています。
だからこそどんなビジネスもブランディングが重要で、ファンを作ることが重要なんです。
まとめ
ファンを作ることは重要です。
ファンは顧客生涯価値が高いお客さんなので、ファンができると広告費を大きくかけることができるようになるからです。
あなたのサロンの集客も増え、利益も増えます。
つまり、もっとお客さんの満足に繋がることができるようになり、顧客生涯価値が高まります。
まずはあなたの集客媒体の、顧客獲得単価を出してみてください。
何が効果的な集客媒体なのかがはっきりしますよ。