Webでは欠かせない文章術であるコピーライティング。
情報発信は”言葉”が要なので、私もいつも使う言葉は意識しています。
その中でもキャッチコピーは重要です。
キャッチコピーとは、商品名やセミナータイトル、ブログ記事タイトルなど…
心をつかむためのタイトル付けのことです。
今回は、面白い事例をひとつ紹介したいと思います。
キャッチコピーの重要性がよくわかる事例です。
ビジネスにおいてとても重要なエッセンスが詰まっているので、あなたにシェアしたいと思います。
「6秒に1本売れているシャンプー」
このキャッチコピー聞いたことありますか?
あなたはレヴールというシャンプーのキャッチコピーです。
「6秒に1本売れているシャンプー」
というキャッチコピーで2011年ごろテレビCMを沢山流していたノンシリコンシャンプーです。
当時まだ学生だった私もCMで知り使っていました。
それからレヴールは売れ行きを伸ばし
6秒に1本が→3秒に1本→1.5秒に1本と
どんどんキャッチコピーが進化していきました。
ドラッグストアで見かけるたびにキャッチコピーが進化しているのです!
当時それを見て私は
すごく人気のあるシャンプーだと思いました。
当時のシャンプー業界は…
いま改めてこのキャッチコピーを調べると物凄く秀逸だと思います。
キャッチコピーは魔法のように消費者の目をくらませます。
まず、当時のシャンプー業界の話を少しすると・・・
数年前に、資生堂のツバキが
「日本の女性は、美しい」
というキャッチコピーで大ヒットしていました。
そんな中、新進気鋭のシャンプーとして出てきたのがレヴール。
キャッチコピーは
「6秒に1本売れているシャンプー」
です。
当時の私は
「ツバキよりも最近はレブールの方が売れてて
しかもレブールの方がなんか髪に良さそう」
と思っていました。
多くのレブールユーザーは似たように思っていたのではないかと思います。
実際はどちらが売れているのか?
ここで、2つの販売本数を比較してみましょう。
レヴールのキャッチコピーは最終的に1.5秒に1本売れているのでそれをもとに計算していきます。
24時間は秒に直すと86400秒です。
86400秒÷1.5秒=57600本
つまり1日で57600本売れているということになります。
めちゃくちゃ売れている感じがしますね。
年間にすれば年間約2102万本売れてる計算です。
では、レヴールの2102万本に対してツバキはどれだけ売れているのか…
結論から言います。
資生堂のツバキは販売開始から半年で3000万本売れました。
単純に考えて年間で6000万本です。
大ヒットのツバキは年間6000万本。
1.5秒に1本売れているレブールは概算で年間2102本。
実質ツバキの1/3程度しか売れていません。
このキャッチコピーに目くらましされた当時の私は、レブールの方が人気だと思っていました。
キャッチコピーは魔法のように錯覚を作り上げる
ただし上の計算でも、1点注意しなくてはいけません。
資生堂のツバキは「半年間で3000万本」と期間を明確にしています。
対してレヴールが明示しているのはあくまで販売スピードなんですね。
これはテレビで言うところの瞬間最高視聴率のようなもので…
極端に言えばある1日で57600本売ってしまえば、
あるいはある1時間で2400本売ってしまえば、
他では1本も売れてなくても1.5秒に1本売れていると言えてしまうわけです。
なので、先ほどの計算式よりも実際の販売本数は少ない数字である可能性もあります。
とはいえ瞬間最高視聴率のような数字でもそこに嘘は一切ないんですよね。
嘘はついていないのに、なんだかめちゃくちゃ売れているような気がする。
これが「キャッチコピーの魔法」です。
このキャッチコピーは、本当に上手だと思います。
実際、当時の私は6秒に1本のキャッチコピーで
「売れてる!」「人気商品だ!」
と本気で思っていました。
秀逸なキャッチコピーの要素
この「6秒に1本売れているシャンプー」のキャッチコピー的な上手さは3つの要素があります。
1.身体感覚
身体感覚にせまるキャッチコピーはリアリティを感じ想像しやすいです。
この身体感覚というのは例えば「とろふわプリン」という商品がありましたが食感をリアリティをもって想像できますよね。
同じように今回の「6秒に1本」というのも身体感覚として想像しやすく、
6秒ごとに次々と売れるイメージが脳裏に浮かぶはずです。
実際TVCMではそういった映像を使っていました。
印象に残りますよね。
逆に、「1.5秒に1本」だとカウントしにくく想像しづらい秒数のため、印象に残りづらい。
そのせいか、Googleで調べられているワードとしても「6秒に1本 シャンプー」の方が多いですね。
2.社会的証明
これは簡単にいえば「売れてる感じ」のことです。
行列を見たときに、なんのお店か気になったことはありませんか?
あるいは、SNSで沢山イイネされている投稿に思わずイイネしてしまった経験は?
人は人気なものが気になります。
大勢が支持しているものを支持します。
この「6秒に1本売れているシャンプー」は行列のできるお店や沢山イイネされている投稿をキャッチコピーだけで表現しています。
資生堂のツバキと比較すると販売本数では劣るかもしれませんが、数字のマジックを上手に使って社会的証明を取り入れています。
3.訴求点を絞る
訴求点というのは、お客さんに訴えたいポイントのことです。
このキャッチコピーの訴求点は
「人気のシャンプーである」
ということです。
逆に言えば、それ以外なにも言っていません。
それだけで、上記の社会的証明によって購買意欲を掻き立てています。
訴求点が明確だからこそシンプルでインパクトのあるキャッチコピーになっています。
まとめ
この優秀なキャッチコピーのおかげもありわずか15秒のCMで、レヴールは話題になりました。
実は、キャッチコピーらしいものは慣れてしまえば小手先のテクニックでパパっと作れてしまいます。
そして作ってしまいがちです。
しかし、こういった優秀なキャッチコピーを見るとキャッチコピーの重要性を改めて感じます。
あなたも商品のネーミングやブログのタイトルなど、ちょっとだけ意識してみてください。
きっとお客さんの反応は変わってきますよ。